作り手冥利に尽きる瞬間|お揃いのレザーを

Leather

こんにちは、クレスクントのウラノです。
革の仕立て仕事をしていると、時折、胸がじーんと熱くなるような嬉しい瞬間に出会うことがあります。
今日は、先日いただいた、作り手冥利に尽きる「ある特別なオーダー」について書いてみようかなと思います。

それは、新社会人として最初の一歩を踏み出す、息子さんへの就職祝いにといただいた「名刺入れ」のオーダーでした。
実は、ご注文をくださったお客様は、以前に旦那様へのプレゼントとして当店の名刺入れを選んでくださった方だったのです。

「いつもありがとうございます」とお礼のメッセージをお送りしたところ、こんなにも温かいお返事が届きました。
「前回作っていただいた名刺入れ、夫は今もすごく大事に使ってくれています。今回、息子の就職にあたって、夫自身から『同じのが良い!』というオススメがあって、色違いで持たせたいなと思いました」

お届けしている革製品は、お客様の手に渡ってからが本当のスタートです。
名刺入れであれば、毎日のお仕事の中で、擦れたり、揉まれたり、手の油分が馴染んだりしながら、その人の働き方に合わせて少しずつ形を変え、深みのある色艶へと育っていきます。
実際に日々ビジネスの現場でその名刺入れを使い、革を育ててくださっている旦那様ご本人が、「息子にも同じものを」と太鼓判を押してくださったこと。
これほど作り手として自信をいただける、誇らしいことはありません。

お父様から息子さんへ。
お揃いの形、だけどこれから全く違うそれぞれの歴史を刻んでいく、色違いの名刺入れ。
お二人がそれぞれの手元で少しずつ革を育てていく姿を想像するだけで、どのような変化をしていくのかが楽しみになります。

新社会人という、大きな期待と少しの緊張が混ざり合う大切な門出。
新しい世界へ飛び込んでいく息子さんの緊張を、手元からそっと和らげてくれるような、そしてこれから始まる長い社会人生活をずっと支え、一緒に成長していけるような、頼もしい相棒になりますように。
今回も一つひとつ、気合を入れて丁寧に仕立てさせていただきます。

お届けまで、どうぞ楽しみにお待ちくださいね。
素敵なご縁を、本当にありがとうございました。

— CRESCUNT Leather Works —