2023年始ごあいさつ

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こんにちは、クレスクントのウラノです。

2023年もスタートして半月程経ってしまいましたが、今年最初の更新です。

昨年も多くの方々にお求めいただき誠にありがとうございました。
中々新作を作る時間が取れず現状維持といった1年になってしまったのですが、喜んでいただけた旨のメッセージをいただいたり、応援のお言葉をいただいたりと、制作のモチベーションを高めていただけるお声を沢山いただきました。
今後は新たなチャレンジも予定してますので、今年も引き続きよろしくお願い致します。

それから…革の話題とは少し違うのですが、私の制作活動の支えになってくれていた猫のこふでが2023年1月12日に15歳で息を引き取りました。
こふでの2つ年上だったみうも2年前の同じ時期に同じ年齢で虹の橋を渡って行ったので、今頃はもう再会してる頃でしょうか。

15年間一緒に過ごしてきた大切な家族なので今は気持ちが全く落ち着いていないのですが、2年前のみう同様いつでもすぐに思い出せるように、こふでとの思い出を振り返りながらここに残しておこうかなと思います。

みうを迎え入れてから2年ほど経ったある日、駐車場に居た警戒心の強い1匹の仔猫がこふででした。
はぐれたのかな?と思ったのですが、大通りが近い場所だったのと、元々近くで野良猫を見る機会もなかったので、そのままだと危険だなと思い保護しました。

お腹が空いてるだろうと思ってご飯を食べさせてみると、もぐもぐと食べている間ずっと「うにゃうにゃうにゃうにゃ…」と鳴いていたので、よっぽど空腹だったのかなと思ったのを覚えています。
ただ…その後もご飯を食べさせる度に、もれなく「うにゃうにゃ」鳴いてたので、これが君のデフォルトの食べ方なのね…と衝撃を受けたのもよく覚えています。

保護した当時は全身がほぼ白い毛で覆われていて、耳としっぽの先だけが黒でした。
ちっちゃくてかわいい先が黒いしっぽが習字に使う小筆のようだったので「こふで」と命名して家族になりました。
くりっとした目をしてるのですが、スターウォーズのヨーダのような…女の子なのですが美人さんではありませんでした。

性格はおおらかで細かい事は全く気にしないタイプでしたが、愛情に飢えてたのかなと思うくらいに甘えん坊の寂しがりで、とにかくいつも構って構ってという感じだったので、みうがヤキモチを妬く事もしばしば…
でもそんなのお構いなしで、みうにも沢山アピールしていました。

ただ、おおらかなこふでも食に関しては貪欲で、特に鶏肉が大好きだったようです。
隙を突いて一度でも噛みついたら、これはもう私のなので絶対に離しませんという強い意志を持って「ゔゔゔ~」と全力で抵抗してました。
その食への貪欲さで、ケージの隙間から届きそうで届かない餌に手を伸ばして諦めない姿の映像が全国放送のTVに取り上げられた事もありました。

すくすくと大きくなるにつれて静かに食べれるようにはなったのですが、とてもおしゃべりな女の子で、遠くの部屋で鳴いていてもよく聞こえる太い声なので、騒がしいなぁと思う事が日常茶飯事でした。
ソファやテーブルから床に着地する時は、必ずと言っていいほど「ゔにゃ~ん」と自分で効果音を付けてました。
また、いくつかある小さなぬいぐるみを咥えて、ここにみんなで集合してたら寂しくないよと運んで集めてくる姿を最近までよく見てたのですが、その運んでる最中も「ゔ~ゔ~ゔ~」と効果音を付けてました。
そんな姿を見て、みんなに優しくしてあげて偉いね~と褒めたのを覚えているのか、よく目の前までぬいぐるみを続々と運んでくれて、連れてきたよ~!褒めて~!といった感じで「ぎゃ~んっ」と鳴いてアピールもしてました。
その頃には小筆どころかすっかり大筆サイズになっていて、真っ白から茶色が混ざった柄に変化していました。

大きくなっても甘えん坊で優しい性格は変わりなく、どこに居ても目が合えば「にゃ~ん」と挨拶してくれて、名前を呼べばすぐに寄ってきてくれました。
夜中寝静まった頃に寂しくなると、一緒に寝たいよぉと言わんばかりに鳴いて困ることも多々ありました。
おしりをやんわりぺんぺんされるのが好きで、催促するのに手を甘噛してくるのがサインになっていたのですが、延々と催促してくるので何もできないなぁと困る事も多かったです。
私が集中して作業しているとドアの陰から顔だけちらっと覗かせて小さな声で「ん~」と鳴くので、おいでと言ってあげると喜んで膝の上に乗ってきてました。
一度乗ってくるとずっとそのままなので、いつも足がしびれる頃にごめんね~と言って降りてもらうのですが、青みがかったキレイなまんまるの目でちょっと寂しそうに振り向いたりするので甘え上手だったと思います。

そんなこふでが2年ほど前に癌を患ってしまい、しばらくして毎日消毒をして自壊しないよう金太郎スタイルでバンダナを巻いてあげる生活が始まりました。
普通だと身体に何か巻かれるのは嫌がりそうですが、おおらかなこふでは全く気にしませんでした。
日に日に大きくなってくる患部はとても痛々しかったのですが、息を引き取る数日前までは普段と変わらずに元気に過ごしてくれてました。

みうが居なくなってからは一番のお姉さんとして、れおんやこてんにも沢山の愛情を注いでくれていたので、みんなこふでの事が大好きでした。
私も…ずっとこふでを優しく甘えさせてあげてたつもりでしたが、今思えば同じようにこふでに甘えさせてもらってたんだなぁと…
疲れていたり元気がなかったりした時、必ず側に寄ってきてくれていたのは何かを感じ取ってくれていたからだと思います。

最期の時まで頑張っていたこふでは本当に強くて優しい子でした。
うにゃうにゃ言いながらご飯を食べてたあの頃の仔猫が、いつの間にかこんなにお姉さんになったんだねと思いながら、手を握って看取ってあげました。
またいつでも戻っておいでと息を引き取る前に伝えたので、寂しがりのこふでは多分また戻ってきてくれると思います。
その時まで少しのお別れです。

あまり悲しむとまた感じ取ってこふでも心配すると思うので、頑張っていたこふでに見習って私も頑張ろうと思います。
しばらくはいつもみたいにドアの陰から顔を覗かせてないかな…とついつい見てしまいながら切ない気持ちになると思いますが、こふでの表情も声も感触もにおいもこの先忘れる事はないので、思い出しながら静かにものづくりに向き合うつもりです。

15年間最期の時までずっと側に居てくれて本当にありがとう。
こふで大好きだよ。

— CRESCUNT Leather Works —